第1の教え:質屋とカウンセリング

「質屋とカウンセリング」?
何処に繋がりが在るの?って感じですよね。
この世界に入った時に、私のスーパーバイザーから教えられた事です。
質屋もカウンセリングルームも似た処が在る。
表通りで目立った処に在っては入りずらい。
表通りから、一本入った路地裏にひっそりと佇んでいる居る方が良い。
両方とも必要なのだが、目立つのでは入りづらい。

意を得ています。
今時少なくなって来ていますが、
質屋というのは表通りや商店街から、一本道を入った処にひっそりと在ります。
看板も、目立たなく隠れるように電柱の上の方か、逆に下の方か掲げられています。
何処かで目に留まり、記憶の片隅に残ります。
必要な時に、記憶から引き出し訪れます。
困った時にだけ必要なのです。
誰にも気付かれないように。
入っていく姿を見られては困るのです。
常に影の存在です。
でも、必ず地域に一軒は存在します。と言うより必要とされているのです。
質草(質屋に預け入れる品物です)を持って入ります。
品定めをされて、今必要な金額を借ります。
決して、質草の値打ちに価する金額ではありません。
今必要な金額です。

買い取る事が目的では無いのです。現在の買い取り業者とは違います。
売ってお金に変えてしまえば終わり!
又、困れば持っているのもを売ればいい!
今辛いから、人間関係を切ってしまえば、楽になる!ではありません。

質屋側も、お客さんが今必要で返済可能な金額を見極めて貸し出します。
今必要なお金を、一時凌ぎとして借り、必ず質草を引き取る。
質札(預け入れ証)を受け取り、
期日までに借金を返済して(利息と共に)、質草を引き取ります。
「今一万円のお金が必要なのだろ。この時計は三万円の値打ちがあるが、
一万円を貸すよ。この時計も必要なものだから、早くお金を溜めて買い戻しに来いよ。
それまでは、他人には売らないからね。
今は苦しい時だ。頑張って早く立て直して来いよ。待っているよ!」
と言うメッセージが隠されています。
カウンセリングのテーマ、自律と自己責任のルールが出来ています。
質屋の店主も人生のカウンセラーです。

カウンセリングも似たポジションに居ます。
必要とされるのですが、目立った存在ではまだまだ困るのです。
現に、カウンセリングを受けるように成られる方は、年々増えていますが、
カウンセリングを受けていると、言われる方は滅多に聴きません。
悩みを悩みを抱えている方々の記憶の片隅に残り、
必要になった時に訪れる事が出来る何処か、隠れ家的な処が必要です。
悩みが在る時は苦しいものです。
その時、チョッとした助けが必要です。
その助けを借りて、一息ついて、自分を立て直す。
そのお手伝いをするのが、カウンセリングでもあります。
質屋とカウンセリングは共通項が色々あります。

でも、カウンセリングルームは誰もが、
気軽に訪れる事が出来る時代が来る様に頑張ります。

れんげ草